よくあるご質問

特殊モルタル工法とはどんな工法か
法面の崩落防止を主体としながら、自然への復元を図る特殊工法である。凍結融解に強く接着力の優れた特殊な接着材(T・Mポリマーセメント)とヤシネット、金網等で法面の浸食、落石を防止することにより緑化を促進し、自然への復元を早急ならし工法である。
特殊工法の長所と短所は?
長所
(1)優れた接骨力で落石防止ができる。
(2)凍結融解に強く、寒冷地でも適する。
(3)自然緑化が期待できる。
(4)水抜きが容易である。
(5)法面が比較的急勾配の岩石地番でも施工が可能である。
(6)法面整理のみで施工が可能であり、残土の処理が少なくない。
(7)モルタル吹付工法に比べ景観を損なうことが少ない。
(8)工期が短くて済む。
(9)水を使用しないので、高所・寒冷地での施工が容易である。

短所
(1)一般の種子吹付エに比較して単価が高い。
(2)岩、網が表面に見えているため、モルタル吹付に比べて一般的に安全性が無いように見られやすい。

特殊モルタル吹付工を採用する基準
地形(法面の勾配、法面の状況)・地質(岩の種類、土砂の有無)等を診断して、工法及び吹付量を決定する。
特殊モルタル吹付工の耐久性
特殊モルタル吹付工は凍結融解に対しても接着強度は増大するという特性があるので耐久性もあると考えられる。施工実績は、20年以上になるが被害は極少であることから、相当期間の耐久力は有るものと思われる。
特殊モルタル吹付工事で使用される機械と性能
使用する機械の主なものは、特殊モルタル吹付機、モルタルコンクリート吹付機、モルタルミキサー等である。直高100m、水平距離300mまで施工可能である。それ以上の場合は、機械を分解し、軽索道(1トン積)により運搬すれば高低差による制限は受けない。
一般土木、建設工事では何処に使用されている
土木工事としては、橋梁関係コンクリートのクラック充填、石積みの補強、プール、水槽の水漏れ防止建築工事用としては、外装、ブロック積み等に使用されている。
1平米当りの吹付厚さはどの程度か。
1平米当り10kg吹きでは、板状に吹いた場合5mm程度となる。比重は1.82である。
特殊モルタルの吹付量はどのようにして決定されるか。
吹付量は、過去の実績を参考に岩質、亀裂の状況、法面の形状等により決定する。一般的に1平米当り6・10kg吹きを標準としている。
特殊モルタルの設計基準接着強度を8㎏f/cm2とした根拠
降雨時、降雨後の検査等を配慮して、耐水按普強度の7.6㎏f/c平米=8㎏f/c平米(静岡県工業試験場の試験数値)を基睡接潜強度として採択した。
特殊モルタルの接着強度と普通モルタルの接着強度の関係
特殊モルタルと普通モルタルの接着強度を比較すると特殊モルタルは、普通モルタルの2.5倍の強度がある。
普通モルタル:10.2㎏f/c平米
特殊モルタル:24.7㎏f/c平米
金網の線形は、1.2mm程度であるが、落石が防止できるのか。
金網は、落石発生を固体的に防止するため、岩盤一体化の補助手段として施工するもので、落石防止は、特殊モルタルの接着力が主力となっている。
アンカーの効き目は大丈夫か。
表面処理としての視点から、長短3種(φ13×600mmφ13×400mm、φ9×200mm)を使い分けて打設しており、20年の実績からも効果は実証されている。
岩盤と金網間の中空部は、施工後問題が生じないか。
岩盤と金網間の中空は、極力少なくするよう施工するが、多少中空部があっても強度的に問題はなく、施工後、その部分に土砂、落葉なとが溜まり植生の基盤となって、在来植生の侵入を助け、自然緑化を促進することができる。
まぶし吹きの目的
被服材料の金網の耐久年数を長くし、凍上や融雪水、雨水等による表層土の洗掘流亡を防ぐことを目的としている。
特殊モルタルのまぶし吹きによるアルカリ過多土壌へ変貌することはないか
特殊モルタルは、2~3時間で凝結するので、施工地の土壌にアルカリ成分が吸収されるとしても微量で、発芽に悪影響を及ぼすことはない。